近年パーソナルジムなどで体を鍛える人が増えているようです。
芸能人でも鍛えてきれいな体系を作っている方が度々話題となり、食事制限などの無理なダイエットではなく、トレーニングで引き締まった体を手に入れようと考えている人が増えているんですね。
そこでストイックな人からも愛されるのがサラダチキン。
タンパク質中心な鶏むね肉を美味しく食べられるよう調理したもので、一つのブームになっていますね。
今回は厳密にはサラダチキンではありませんが、鶏むね肉でも柔らかく美味しく食べられるようになる『低温調理器を使ったサラダチキンの作り方』を紹介します。
サラダチキンとは
「サラダチキンって最近よく店頭で見かけるけどなんなの?」と言う方向けに、サラダチキンについて簡単に紹介します。
サラダチキンとは蒸した鶏肉
サラダチキンとは鶏肉を蒸して柔らかくして味付したもの。
鶏モモ肉のサラダチキンは鶏の脂が効いてジューシーな味わい。
一方で、鶏ムネ肉で作ったサラダチキンは、鶏モモに比べると硬さなどがあるものの低カロリー高タンパクなので、体をストイックに鍛える人だけでなく女性にも人気の商品となっています。
「鶏むね肉はパサパサしておいしくない」という人もいるかもしれませんが、サラダチキンは割合柔らかくて仕上げてありますし、濃い目のソースをまとわせてあるので、あまりパサつきを感ずに食べれるおいしい鶏肉料理です。
サラダチキンはコンビニでも買えて種類も豊富だけど値段がネック
最近サラダチキンはちょっとしたブームになっているようで、ファミマ、ローソン、セブンイレブンなどのコンビニでも販売されています。近年、サラダチキンブームに乗っかりコンビニでも力を入れているため、次々に新しい味が増えて種類も豊富です。
サラダチキンは真空パックに入って売られているので割と日持ちする点も良い所。味によって食感が硬く感じる商品もありますが、ほとんどは柔らかく、味付けが濃い目に決まっているので美味しいと思います。
肉塊1個なのでお腹にもたまるのでランチ用に購入するのも良いと思いますが、ここでネックとなるのは値段です。
サラダチキンの販売価格は200円〜300円程。
毎日食べ続けるには少しコストが高いかなと思います。そこで皆さん考えるわけですね。自宅でサラダチキンを作る方法はないかと。
そんな人にオススメなのが今回紹介する低温調理器を使った調理法なんです。
低温調理器とは
低温調理器とは、鍋に溜めた水の温度をぬるま湯~沸騰しない程度の低温で食材を湯煎することのできる調理器具のことです。
温度センサー、ヒーター、攪拌器、タイマーがセットになった構造で、湯を張った鍋に差し込んで使用します。
低温調理器で調理を行う『お肉がとても柔らかくジューシーに仕上がる』などと言われていますが、これは食べた人の感想・口コミだけの話ではなく、ちゃんと科学的な理論があるんです。
低音調理器でお肉が柔らかくておいしく仕上がる3つの理論
低温調理器で調理すると食材を柔らかくおいしく仕上げられるは、次の3つの理論によるものです。
1 低温で調理
肉、魚、野菜などの食材は、ある温度を超える熱が加わると成分・組織が変化するため、固くなったり水分を失ってパサついたりします。
- 30℃~45℃の変化
- 約30℃で魚のコラーゲンがゼラチン化し始め、45度を超えると収縮。
- 60℃~68℃
- 約60℃で肉・魚などのたんぱく質が硬くなり始め、68℃を超えると水分が抜けてパサつきだす。
- 92℃
- 野菜の食物繊維(セルロース)がシャキシャキ感を失う
低温調理器がコンロ調理と違うのは、温度センサーとヒーターで鍋の中の温度を自動で一定に保ってくれること。また、低温調理器には攪拌器もついていて水流が発生するため、鍋の中の温度が均一になりムラが出ません。このため、食材に変化を与えない狙った温度帯で食材を調理することができるんです。
先の理論と照らし合わせると、お肉であれば60℃前半程度で調理すると柔らかくジューシーな仕上がりとなります。
2 真空パックに入れて調理
低温調理器で調理する食材は、味付けを行ってから真空パックに入れ、鍋に浸けて湯煎調理します。この時真空パック内の余分な空気を抜いて、真空にしておくことが大切です。
空気は水より熱伝導率が低いため、余分な空気が入っていると湯煎にムラができてしまいます。
上手に空気が抜けてパック内が真空に近づくと真空パックがピタッとくっつくので、少ない調味料でも満遍なく肉の周りにまとわりつかせることができますし、浸透圧によって均等に味が浸み込むようになります。
3 湯煎調理
湯煎調理では、フライパンのように接した面だけが焼けるのではなく、お肉全体を均等に加熱することができます。
また設定温度の熱を加え続けるものなので、火力の強弱によるムラなども発生せず、狙った温度・時間で正確に調理することが可能です。
これらの科学的理論によって、食材を柔らかく、おいしく調理ができるということなんですね。
低温調理器boniqと鶏むね肉で作るなんちゃってサラダチキン
サラダチキンは蒸した鶏肉ですが、今回ご紹介するのは茹でた(湯煎した)鶏肉になります。
時間はかかりますが、手間はほとんどかかりませんので、鶏ムネ肉をいかにして食べようか悩んでる人必見です。
鶏むね肉の下ごしらえ
あらかじめ常温に戻しておいた鶏むね肉に味付けを行います。
塩ベースでも醤油ベースでもお好みの味付けで良いと思います。
何回か試してみましたが、個人的には『岩塩またはクレイジーソルト、胡椒、バジル、ニンニク』あたりで味付けするとシンプルで美味しいと思います。
あまりに鶏肉が厚いときは、切って開くか叩いて伸ばしておくと中まで熱が通りやすくなります。
味付けを行なったらフリーザーバッグ(真空パック)に入れて中の空気を押し出します。
余計な空気が入っていると湯煎にムラができるので、しっかりと真空にする事が大切です。ただし、最終的に鍋に浸ける段階で水圧によってさらに空気が抜けますので、この段階では大雑把に抜いておけば大丈夫でしょう。
※一つだけ肉が分厚かったので分かりやすいように”アツオ”とマーキングしました。
鍋に約40度のお湯を張る
湯煎したい食材が十分浸かるくらいの鍋にお湯を溜めます。
低音調理を行う場合、お湯の温度は約40度で準備することが大切です。
その理由は2つ
1つ目は、沸騰した高温のお湯につけるとタンパク質変性が生じて肉が硬くなってしまいます。
2つ目は、低音調理器は温度を維持するためのヒーターを搭載していますが、強い火力を持たないため水から始めるとお湯になるまでに時間がかかります。40~50℃度は菌が繁殖しやすい温度とされており、水から始めた場合この温度帯が長く続いてしまうため衛生上良くありません。
家庭の蛇口からは40度以上のお湯が出ると思いますので、初めからお湯を溜めてしまいましょう。
私が40℃のお湯を準備するときは、蛇口からの最大温度で鍋に半分程度お湯をはり、ボニークをセットします。電源を入れると温度が表示されますので、それを見ながら計量カップで水を足し引きするとスムーズに約40度のお湯が準備できます。
ボニークで使える鍋は容量5L~15L
うちには大きな鍋がなかったので、片手の圧力鍋を使って湯煎を行っています。
BONIQ(ボニーク)の公式によると鍋は5L~15Lの容量のものが使えるとのことですので、食材を十分沈められる深い鍋なら大抵使えるのではないでしょうか。
BONIQ(ボニーク)本体は大きなクリップで鍋を挟み込んで固定する仕組みなので、ボニーク本体の高さの範囲内の鍋なら取り付けが可能です。
ボニークの設定
ボニークで設定する項目は温度とタイマーの2つ。
これらは食材、食材の厚み、食べ方の好み(レア・ミディアムなど)に応じて設定します。
今回のように厚みのある鶏肉で、ミディアム程度の仕上がりを狙うなら大体60℃〜65℃で2時間30分程度で良いでしょう。
今回は62℃で2時間半湯煎してみたいと思います。
ボニークの設定は本体上部の設定ボタンから行います。
まず左のヒーターの設定ボタンを押して、設定モードの時に下のホイールを回して温度を設定し、再び設定ボタンを押すと温度設定完了で、ボタンの色が赤から青に変わります。
次に右のタイマー設定を行いますが、こちらはボタンを押すごとに時分が切り替わります。表示を見ながら時分を設定できたらタイマー設定ボタンも青色に変わります。
この状態でスタートボタンを押すと、BONIQ(ボニーク)が動き出して鍋の中に水流が発生します。後は食材を鍋の中に鎮めれば調理が始まります。
ジップロックした食材を真空にして沈める
先程味付けして簡単に空気を抜いておいた食材をジップロックごと鍋につけて湯煎調理します。
鍋の中に沈めると真空パックの内側がピタッとくっつくほど水圧で空気が抜けますので、袋の上を少し開けておき、食材部分を沈めてから閉じると良いでしょう。
タイマーの時間まで待つ
設定温度が60℃程度で40℃のお湯から始めると約10分くらいで設定温度に到達します
設定温度に到達するとピーピーッとアラーム音が鳴ります。
そのまま調理は続けられ、設定時間が経過すると止めるまでアラームが鳴り続け続けるようになります。
なぜアラームがずっと鳴り続けるかというと、低温調理をやめてしまうと鍋の温度が徐々に下がり、また菌の増殖しやすい温度帯に変わってしまうため、低温調理自体は自動で止まらない仕様になっているのです。
この設定のおかげで食材の衛生面は保護されますが、やはり調理時間が長引けば肉に熱が通りすぎて固くなってしまいます。
アラーム音はそれほど大きくないのでリビングとキッチンが扉で隔てられてたり、クーラーなどを付けてるとアラーム音に気付きにくいこともあるので、心配な人はスマホやキッチンタイマーなどを併用して、ボニークの止め忘れに注意しましょう。
BONIQで作ったサラダチキンの様子
時間になったのでお湯から引き揚げます。
外観はちゃんと火が通っているように見えますね。
そのまま切って中を確かめてみると、中はミディアムな感じで仕上がっていますね。若干血合いの部分が赤く残っていますが、それよりも深い位置の肉の色が変わっているのでしっかりと中心まで熱は伝わっていると思われます。
レバーや鳥刺しから感染する細菌(カンピロバクター)は60℃で死滅するとのことなので、肉が硬く変化する60~68℃の間で熱が中心まで伝わっているならある程度の加熱殺菌は行えるということですね。
BONIQで調理する場合、ここからさらにフライパンやオーブンで表面に焼き目を付けてもおいしくいただけるようですが、まずは低温調理のみで食べてみることにしました。
こ、これは・・・かつて経験したことのない鶏むね肉の柔らかさ、みずみずしさ!
あの38円/100gで大量に仕入れてきた肉がここまでおいしくなるとは、もはや魔法のレベルです。
だって鶏むね肉って普通調理したら固くなってパサつくじゃないですか。それが持ち上げてみるとこんな柔らかさなんですよ。
お味のほうも、塩コショウなどシンプルな味付けでもしっかり中まで染みていてお肉のうまみが広がります。
凝ってやるなら醤油ベースのタレでBONIQして、その後オーブンで焼くと外はカリカリの中ジューシーに仕上がっておいしいそうですが、BONIQだけでも十分おいしいですね。
BONIQ製サラダチキンの保存期間は冷蔵5日、冷凍3ヵ月
BONIQで作ったサラダチキンは、保存用であれば冷蔵・冷凍することで最大3ヵ月程度保存することができます。
説明書に書いてある説明では
- 調理後90分以内に4℃以下に冷却し、5日間冷蔵保存可能
- 調理後90分以内に4℃以下に冷却し、-18度以下で3ヵ月冷凍保存可能
ここでもできるだけ早く食材の温度を下げ、菌の繁殖しやすい温度帯を避けることが重要になってきます。
私も時間のある土日に調理しておいて平日に食べたいので冷凍保存してみることにしました。
私はキャンプグッズとして保冷剤を購入しているので、急速冷凍したいときはこれで挟んで熱を取ってから冷凍庫に入れるようにしています。このLOGOS(ロゴス)の倍速凍結・氷点下パックは挟んだ食材を凍らせるほど冷却力があるので、保冷剤としてだけでなく、キッチンで粗熱を取りたいときなどに大活躍します。
炊飯器から取り上げたご飯をラップで包んで冷凍しておく人も多いのではないかと思いますが、粗熱が取れるまで置いておくつもりが時間かかるから忘れてそのまま寝てしまい、腐らせてしまった人もいるのではないでしょうか。
そんなときにもこの方法を使うと5分~10分程でかなり冷えてくれるので、食材の鮮度・衛生面的にも自分の楽さ的にもおすすめです。
BONIQは準備・片付けも楽ちん
調理をした後は、片付けが大変ですよね。
BONIQの良い所は準備も片付けも楽な所。
一連の調理の手順は初回こそ時間かかるかもしれませんが、慣れてくると味付けして投げ込んどくだけなので全然手間がかかりません。
片づけについても、BONIQは鍋の中の水を温めてるだけなので汚れません。手入れは1週間に1回程度スポンジで洗ってあげるだけでよく、普段は使い終わったらスクリュー部分のカバーを外して干すだけです。鍋もお湯が入ってただけなので洗わなくてもいいですしね。
まとめ:BONIQはズボラで料理下手でもおいしいサラダチキンが安く作れる最強調理器具だった
初めて低温調理器というものを使いましたが、ここまで簡単で美味しい調理ができるとは正直驚きました。
使っている肉はいつもと同じ安い鶏肉なのに、まったく別の食べ物になっちゃいましたからね。
これ鶏肉好きとか、体作りで鶏肉食べている人はぜひ体験してもらいたいですし、ママ友とかと食事会があるときにこれ使った肉出したらビックリされると思いますよ。
ただ今回紹介した低温調理器BONIQは、実力はすごいんですが、お値段の方も結構すごいんです。
本体価格は聞いてびっくり19,800円
調理家電の中でも奮発して購入する部類です。
でも毎日のようにサラダチキンを買っている人ならすぐに元が取れちゃいますね。
それにうちは家計の都合でよく鶏肉を買いがちですが、胸肉はどうやればパサパサせずにおいしく、楽に食べられるかと常々悩んでいたのです。同じような環境の人なら、安いお肉も楽においしく調理できちゃうので献立の救世主的な存在になります。
調理家電って「買ったはいいけど片付けが面倒で使わなくなった」というものが結構あるんですよね。でもBONIQ(ボニーク)は使った方が楽できるので、ズボラな人ほどぜひおすすめしたいです。仕事が忙しい人でも帰宅後にササっと下ごしらえして投げ込んでおき、風呂とか別の事済ませてる間に調理が完了しますからね。
BONIQのサイトでは低温調理器を使ったレシピなども多数公開されているので、サラダチキンをきっかけに低温調理器の世界へ入っていくのも良いかもしれませんね。
BONIQ(ボニーク)はAmazonでも販売されていますが、公式サイトの方が安く買えます。
また、低温調理器は使わないときに寝かせておくと結構場所を取りますので、公式サイトでは縦置きできるスタンドも販売されています。低温調理器にも種々ありますが、BONIQ(ボニーク)は機能面だけでなくフォルムもスリムでスマートですし、キッチンがおしゃれな家庭にも合います。
公式サイトではBONIQ本体、縦置き用スタンド、調理しやすい保温鍋が販売されており、購入ページでは全品20%OFFになるセット購入割引も案内されていますので、興味がある方はチェックされてみると良いでしょう。
コメント
冷凍保存したチキンはどうやって解凍すると美味しいですか?
年末でバタバタしてコメントの確認・返信が遅くなりました。
冷凍したお肉は食べる日の前日にでも冷蔵庫に移し、冷蔵庫内で解凍します。
常温での解凍は菌が繁殖しやすいのでおすすめできません。
もし解凍したお肉を弁当として食べるなら、解凍された鶏肉を保冷パックと一緒に包んで持って行くと菌の繁殖を抑えられます。
お肉を温めるなら手軽なのはレンジで軽くチンする方法です。
ただし、時間が長すぎると火が通り過ぎるので、お肉の大きさと時間の感覚がつかめるまでは少しずつ様子を見ながら加熱してみるのがいいと思います。
(私はサラダチキン弁当を職場でレンチンして温めて食べています。)
後は、家なら冷蔵庫で解凍したお肉を沸騰しない程度のお湯で3~5分程度湯煎して温めるようにしています。
いわゆる再低温調理ですね。
フライパンやオーブンで香ばしく再調理しても良いと思いますが、この場合もあまり肉に熱を入れないように短時間で表面だけ焼き目を付けるイメージで調理した方が肉の柔らかさを保てます。