一人暮らし始める時、とりあえず必要最低限のものは買い揃えたつもりでも、実際に生活し始めたら不便に感じることが多くて家電とかいろいろ欲しくなるんですよね。
卓上IHなんかもまさにそうだと思います。
一人暮らし物件って1Kの6畳の間取りが多いと思いますが、キッチンが狭いとこが多いので卓上IHがあるといろんな面ではかどるんですよね。
卓上IHの利点
- 適当なテーブルの上でも調理できるので、キッチンの調理スペースが広く使える
- 部屋で鍋など温かいものを食べれる。
- 冬場は部屋でヤカンを沸かせば加湿ができる。
いいことずくめで、実際私も購入してからかなりの頻度で使ってますね。
今の部屋に引っ越してからは備え付けのガスコンロがありますが、ガスは部屋が熱くなるので夏場はあまり使いたくありません。
それに中火~強火でガスを使うと鍋の取っ手まで加熱され、前から使ってた片手圧力鍋の取っ手が熱で溶けてしまったり、鍋に突っ込んでたお玉の取っ手なんかも溶かしてしまいました。
かれこれ10年以上IHしか使ってなかったので、久々にガスを使うとヤカンの取っ手が熱くなることさえ忘れていて危なっかしいので、備付けのガスコンロより卓上IHを使うことが多いです。
さて、そんな卓上IHですが、いざ買おうと思ったら安いものから高いものまで価格もピンキリで機種も多いのでどれを買えばいいのか迷ってしまうんじゃないでしょうか?
今日は私が2017年に買ったパナソニックのKZ-PH33[当時8,000円~10,000円くらい]と10年前くらいに買ったアイリスオーヤマのefeel(EIH-14)[当時3,000円くらい]の2台の卓上IHを使って、性能を比較しながらおすすめのものを紹介したいと思います。
Panasonic(パナソニック)【KZ-PH33】について
Panasonic(パナソニック)【KZ-PH33】の仕様
Panasonic(パナソニック)製のKZ-PH33の仕様は以下のとおりです。
品番 | KZ-PH33 |
---|---|
電源 | 交流100V 50-60Hz共用 |
消費電力 | 1,400W |
火力調節(約) | 7段階(75W相当~1,400W) |
揚げ物温度調節(約) | 7段階(140℃~200℃) |
コード長さ | 1.9m |
本体のサイズ | 幅30.4 cm × 奥行34.5 cm × 高さ5.4 cm |
本体の質量 | 2.5kg |
Panasonic(パナソニック)【KZ-PH33】の機能
火力調節(消費電力)
KZ-PH33は7段階の火力調節が行えます。
電源を入れてスタートボタンを押すと「火力5」で加熱が始まり、◀:左、▶:右ボタンで1段階ずつ火力調節が行えます。
すぐに強火にしたいときは、強火ボタンで「火力7」、保温にしたいときはとろびボタンで「火力1」にワンタッチ切り替えが可能です。
また、◀:左、▶:右ボタンを同時に1秒以上押すと「1,000Wセーブ」になり、最大消費電力が1,000Wまでに抑えられます。コンセントやブレーカの容量が不足するときなどに便利な機能です。
一般的な 火力 |
とろ火 | 弱火 | 中火 | 強火 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
IHの表示 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
消費電力 | 75w | 150w | 260w | 450w | 700w | 900w | 1,400w |
揚げ物 モード |
140℃ | 150℃ | 160℃ | 170℃ | 180℃ | 190℃ | 200℃ |
タイマー
切タイマーボタンを押すことで、タイマー設定を行うことができます。
主電源が入っていればタイマーを先に設定してから加熱を開始できますし、加熱中にタイマーを設定することもできます。
設定できる時間は1分~9時間30分までで、次の単位で設定できます。
- 30分まで:1分刻み
- 1時間まで:5分刻み
- 3時間まで:10分刻み
- 9時間30分まで:30分刻み
その他調理モード
KZ-PH33では加熱と揚げ物の他に2つの調理メニューがあります。
1鍋だし作り
鍋出し作りモードでは水と昆布などを入れて加熱を始めると、吹きこぼれる前のだしが取れたタイミングでブザーでお知らせしてくれる機能です。
おそらく鍋底の温度などで判断しているのだと思いますが、確実に沸騰前のベストな状態で知らせてくれるわけではないので注意が必要です。
2味しみこみ
素材を加熱する目的ではなく、荷崩れせずに味をしみこませたいときにメニューです。
あらかじめ加熱し終わって調味料を入れた材料に1~5分(1分単位)の時間を設定すると沸騰させずに加熱を続けてくれるので、荷崩れせずに味をしみこませることができます。
アイリスオーヤマ efeel【EIH-14】について
アイリスオーヤマ efeel【EIH-14】の仕様
アイリスオーヤマ製efeel【EIH-14】の仕様は以下のとおりです。
品番 | EIH-14 |
---|---|
電源 | AC100V (50/60Hz共用) |
消費電力 | 最大1,400W |
火力調節-加熱調理 | 6段階(100W~) |
火力調節-揚げ物調理 | 6段階(150℃~200℃) |
コード長さ | 約1.75m |
製品寸法 | 幅305mm × 奥行360mm × 高さ65mm |
製品重量 | 2.8kg |
タイマー | 1分~9時間50分 |
材質 | 本体:ABS樹脂、ポリカーボネート トッププレート:結晶ガラス |
アイリスオーヤマ efeel【EIH-14】の機能
火力調節(消費電力)
アイリスオーヤマのEIH-14では6段階の火力調節が行えます。
電源を入れて加熱ボタンを押すと1,400W(最大火力)で加熱が始まり、◀:左、▶:右ボタンで火力調節できます。
KZ-PH33のようにワンタッチで強火やとろ火に調節できる機能はありません。
一般的な 火力 |
とろ火 | 弱火 | 中火 | 強火 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
IHの表示 消費電力 |
100w | 150w | 400w | 700w | 1,000w | 1,400w |
揚げ物 モード |
150℃ | 160℃ | 170℃ | 180℃ | 190℃ | 200℃ |
タイマー
加熱中にタイマーボタンを押すことでタイマー設定モードに入り、◀:左、▶:右ボタンで時間を設定します。
設定できる時間は1分単位で1分~9時間50分まで設定することができます。
その他調理モード
efeel(EIH-14)は加熱と揚げ物メニューだけで、その他の調理モードはありません。
KZ-PH33とefeel(EIH-14)の性能比較評価
この2台について、実際の使い勝手や性能などについて紹介していきたいと思います。
火力の比較
KZ-PH33とefeel(EIH-14)の最大火力はどちらも1,400Wです。
使う鍋の大きさや材質によって温まり方は違いますが、
同じヤカンを使って水1カップ(200ml)が沸騰するまでの時間を計ってみました。
Panasonic(パナソニック)製KZ-PH33の火力
KZ-PH33の最大火力(1,400W)では、1分13秒あたりからヤカンが鳴り始めました。
アイリスオーヤマ製efeel(EIH-14)の火力
EIH-14の最大火力では、1分17秒あたりからヤカンが鳴き始めました。
水200mlの沸騰時間は、パナソニックのKZ-PH33のほうが気持ち早いかなという程度で、どちらも1,400Wというだけありほとんど差はありませんでした。
消費電力・電気代について
この2台のIH調理器の最大火力時の消費電力は1,400kWと同じなので、電気代も同じくらいになります。
ではこの2台のようなIH調理器を使った場合、電気代がどの程度かかるのか試算してみたいと思います。
IH調理器の電気代の試算
ヤカンの水を一度沸騰させた後、700Wまでは火力を落としてもボコボコしていますが、400W台に落とすと沸騰がおとなしくなります。
このあたりから、強火を1,400W、中火を700Wとしてこの2つの消費電力で電気代を試算してみます。
一般的な 火力 |
とろ火 | 弱火 | 中火 | 強火 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
[パナソニック] KZ-PH33の 消費電力 |
75w | 150w | 260w | 450w | 700w | 900w | 1,400w |
[アイリスオーヤマ] EIH-14の 消費電力 |
100w | 150w | – | 400w | 700w | 1,000w | 1,400w |
私の家の電気契約は九州電力のスマートファミリープランで1カ月の使用量は300kWh以内なので、電気代は121kWh~300kWhまでの料金『1kWhあたり22.69円』でざっくりと計算してみます。
1日の消費電力内訳
- 毎朝ヤカンで湯を沸かす:1.4kW(強火) × 0.083h(5分) = 0.1162kWh
- 朝食、弁当の準備:0.7kW(中火) × 0.333h(20分) = 0.5661kWh
- 夕食(強火調理):1.4kW(強火) × 0.167h(10分) = 0.2338kWh
- 夕食(中火調理):0.7kW(弱火) × 0.5h(30分) = 0.3500kWh
1日の消費電力量: 1.2661kWh
電気代
- 1日の電気代: 1.2661kWh × 22.69円/kWh = 29円
- 1ヵ月(30日)の電気代: 1.2661kWh × 30日 × 22.69円/kWh ≒ 862円
私はあんまり気合の入った調理をしませんし、圧力鍋を使い加熱時間も短くて済むので、土日の昼食の調理時間を入れても1ヵ月の電気代はせいぜい1,000円程度なんじゃないかなと思います。
たまにリビングで鍋とかするだけの目的であれば、
400Wで1時間使っても約9円なので、使える鍋がIHに対応している必要はありますが、カセットタイプのガスコンロを買うよりはるかにお得だと思います。
静かさ
次に2つの音の静かさについて比較してみました。
動画前半で動作させている左側の機種はアイリスオーヤマ製のefeel(EIH-14)で、
動画後半で動作させている右側の機種はパナソニック製のKZ-PH33です。
音を大きくしないと聞き取りづらいかもしれませんが、後ろでテレビの音を出しており、その音の聞きにくさを聞いてもらうと伝わるのかなと思います。
聞いてみて分かるとおりefeel(EIH-14)は、はっきり言ってファンの音がうるさいです。
この音は最大火力のときも弱火のときも変わりません。テレビを見ながら鍋をする場合、ファンの音がうるさくてテレビの音量を結構上げないといけなくなるので、リビングで使うには今一つという感じです。
それに対してKZ-PH33は最大火力のときはそれなりに音がしますが、アイリス製のEIH-14に比べれば音は小さいです。
さらに火力を小さくするほど音は小さくなるので、鍋のときも一度ふかして保温にしておけば音はほとんど気になりません。
このKZ-PHのシリーズは静音設計のモデルになっていて、弱火力時で25db(デシベル)、最大火力時でも38db(デシベル)とかなり静かに作られています。
リビングでも使える静かな卓上IHを求めている人には最適な機種だと思います。
新品の卓上IH、ビルトインIH購入後の注意点
私が購入した卓上IH調理器のKZ-PH33は、買うまでは少し高いと思いましたが、今ではかなり満足しています。
でも使い始めたときに故障や不具合なのか悩ましいことがあったので紹介します。
新品の卓上IH調理器 KZ-PH33の臭い
KZ-PG33を使い始めて数日後くらいから、何かが焦げているような、またはプラスチックが溶けているような変なにおいがすることがありました。
最初は鍋のせいかと思いましたが、違う鍋やヤカンに変えても臭ったので、おそらく本体のせいだろうと思い調べてみました。
すると、どうやらこのような電化製品は、製造工程や使用材料によって臭いが生じることがあるようです。通常基盤のはんだ付け作業で臭いのしない材料を使ったり、洗浄して臭わないようにする工程があるようですが、ほとんどの製品はこの工程を行っていないか処理が甘いため、新品で使うときには臭いがするようです。
部屋中が焦げたようなにおいになるので心配だし臭いしで困りましたが、1~2週間程使っている間に気が付いたら臭わなくなっていました。
この商品に限らず新品の卓上IHやビルトインIHでは、このようなにおいがしばらくするものが多々あるようですので、使い始めてしばらくは我慢しながら様子を見てみましょう。
もし卓上IHの購入を検討されている方がいれば、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめの卓上IH KZ-PH33の販売情報
新品購入におすすめ|現行モデルの卓上IH KZ-PHシリーズ
Panasonic(パナソニック)のKZ-PH33は現行販売しているモデルで、通販でも取扱っているショップがたくさんあります。
私が購入したときは8,000円~9,000円台でしたが、今は更に安く販売されているようなので、アマゾンや楽天を比べてみると安く購入できると思います。
※型名の後ろに付いている(-K)はカラーがブラックという意味を表しています。
また、卓上IH本体の性能はKZ-PH33と同じで、鍋がセットになったKZ-PG33という機種もあります。
鍋もセットで購入を考えている人は、こちらも探してみていいかもしれません。
中古品購入におすすめ|旧式の卓上IH KZ-PHシリーズ
Panasonic(パナソニック)のKZ-PHシリーズには、現在は生産中止になっている旧式のモデルがあります。
このシリーズは旧式モデルも静音設計で大変静かです。
現行モデルと比較して「あれば便利」か「なくても良い」機能がないだけなので、中古品で安いものを探している人にはおすすめです。
型番の後ろにアルファベットが付いている場合は色柄(-W:ホワイト、-K:ブラック)を表示。
KZ-PH32
KZ-PH32の特徴
- とろ火と強火のワンタッチボタンがない
- 鍋だし作りメニューがない
- 切りタイマーとは別にカウントダウンタイマーが付いている(経過時間を表示するだけでスイッチが切れないタイマー)
KZ-PG32
KZ-PG32の特徴
- KZ-PH32に鍋が付いたモデル
KZ-PH31
KZ-PH31の特徴
- PH32と比べて1,000Wセーブ機能がない
KZ-PM31
KZ-PM31の特徴
- KZ-PH31に蒸しケース、蒸し板が付いたモデル
KZ-PH30
KZ-PH30の特徴
- KZ-PH31と比べてカウントダウンタイマーがない
KZ-PG30
KZ-PG30の特徴
- KZ-PH30に土鍋風鍋が付いたモデル
KZ-PH30P
KZ-PH30Pの特徴
- 松下電気産業が社名をPanasonic(パナソニック)に変更し、ナショナルブランドを廃止したため、ナショナルブランドだったKZ-PH30に対してパナソニック製とするためKZ-PH30Pとした製品。
まとめ
卓上IHは1Kの一人暮らしでも持っているとできることが広がりとても便利です。
どの商品も火力・消費電力は同じくらいのものが多いので、購入するときは静音設計のものを選ぶとリビングで使うときも快適です。
ただ静かさが売りではない商品は音の大きさが仕様に書いてないことが多いため、そのときはこたつのヒーターのような目立つファンが見えない商品や、本記事で紹介したパナソニックのKZ-PHシリーズの購入がおすすめです。
購入した商品を使い始めて異臭がするときは、2週間ほど使用すると臭いがしなくなるものもあるので様子を見てみても良いでしょう。
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