フリクションボールペンの折れたクリップをパテで修理

スポンサーリンク
記事内に広告が含まれています。

消せるボールペンのフリクションってとても便利ですよね。

最初の頃から発売されているフリクションボールという商品はキャップの付いた1色ペンタイプで芯も少し太かったため、外でメモ書きに使うにはちょっと面倒だったり、キャップを落とすなど煩わしい部分がありました。

後にノック式のフリクションノックが出てからは、胸ポケットに挿しておき、片手で取り出し片手で書けるのですごく快適になりました。

その後発売された3色タイプのフリクションボール3や4色タイプのフリクションボール4は、赤・青などで要点の着色ができますし、芯も0.38mmと細いので文字もとても書きやすくなっています。

 

私もフリクションボール3を愛用しているのですが、先日力をかけ過ぎてしまいクリップ部分が折れてしまいました。

このままでもボールペンとしてなら普通に使えますが、やはりクリップがないと不便ですし、クリップのためだけにフリクション本体を買いなおすのも勿体ないので、折れたクリップを修理してみることにしました。

何回かうまく修理できなかった例もあるので、そちらも参考にご紹介いたします。

スポンサーリンク

フリクションボールペンの修理(成功編)

始めにフリクションボールペンのクリップの破損状況を見ておきたいと思います。

クリップ部分には丸い穴が開いており、本体の突起をクリップの穴に通すことでクリップが固定されていますが、壊れたペンは本体の突起とクリップの穴の両方が折れて壊れてしまっています。

幸いにもバネは紛失していなかったので、バネは再利用して、本体とクリップのプラスチック部分を修理していきたいと思います。

フリクションボールペンのクリップが折れた状況

 

使用工具・材料他

使用工具・材料は以下のものになります。

  • 紙ヤスリ#60[おそらく100均]
  • ハイスピードエポ(エポキシ樹脂系ボンド)[小西株式会社]
  • 光硬化パテ(車のボディ補修用)[99工房]
  • 紫外線(UV)ライト
  • ゼムクリップ
  • ニッパー
  • ミニルーター[ダイソー] ※100均で800円もする高級品
  • ミニルーター用軸付砥石[ダイソー]

クリップの折れた部分の修復する材料は、車のボディ補修に使った光硬化パテが余っていたのでそれを使うことにしました。

紫外線(UV)ライトがあればパテを硬化させるのに便利ですが、なければ日光に当ててもすぐに固まるので問題ありません。

 

フリクションのクリップの修理方法

① クリップ側の壊れた断面にヤスリをかける

フリクションの折れたクリップと紙やすり(#60)

クリップ側の破損部分をパテ補修していきたいと思いますが、断面が整い過ぎているとパテの付着が悪く、力がかかった時に簡単に取れてしまいます。

そこで、付着が良くなるように断面に粗目のヤスリ(#60~120程度)をザっとかけて表面を荒らします。

ヤスリがけで出た粉は付着を悪くする原因となるため、ヤスリがけが終わったらきれいに拭き取っておきましょう。

フリクションのクリップの折れた断面にヤスリをかけた状況

 

② ヤスリがけした面にボンド(エポキシ樹脂系)を塗る

ヤスリがけした面とパテの付着が強くなるように、間にボンドを塗ります。

ボンドはエポキシ樹脂系のものを使うと粘性に優れているので良い付着力を発揮します。

私が使ったのは車のボディの修復にも使えるハイスピードエポという速硬タイプのもので、A材とB材を混ぜ始めると1分程で硬化が始まり、約15分もすると実用強度に達するので連続して作業したい人にはおすすめです。

エポキシ樹脂系ボンドのA材とB材を混ぜる

 

③ 光硬化パテでクリップ側の壊れた部分を作る

ハイスピードエポを塗ったらそのまま光硬化パテを塗っていきます。

パテは作りたいパーツよりも少し大きめに整形しておき、固まってから削って形を整えます。

光効果パテは粘性が低く液体のような硬さなので、型となるものがなければ1回でクリップ破損部の厚みを出せません。

しかし、型を作るのは難しいので、塗って硬化させてを何度か繰り返して厚みを出していきます。

パテが目的の大きさ・厚みに濡れたらしばらく日光に当ててしっかり硬化させます。99工房性の光効果パテの場合晴天時で5~20分、曇りで約40分~が硬化の目安となっています。

光硬化パテでフリクションの折れたクリップを成形

※何回か別の方法で失敗しているためクリップが汚れてしまっています。

 

 

ここで持っておくと便利なのが紫外線(UV)ライトです。

レジンなどと同様に光効果パテも紫外線ライトで硬化させることができるため、雨天・夜間・日の入らない部屋で作業を行うのに便利です。

紫外線ライトで光硬化パテを硬化させる

 

④ パテ補修部分を整形する

フリクションのクリップのパテが固まったら、パテ部分を削って整形していきます。

整形は100均のミニルーターを使い、折れてない方の形に合わせてパテを削っていきます。

硬化したパテ部分を100均のミニルーターできれいに整形

 

⑤ フリクション本体側の突起部分にミニルーターで穴を開ける

最初は本体の突起もパテで成形しようと思いましたが、強度的に困難でした。

そこで、いっそのこと突起部分は穴を開けて貫通させてしまい、新たな軸を作って通すことにしました。

 

ボールペンに穴を開ける作業は、ダイソーに売っているミニルーターで行います。

ミニルーターに標準で付いているヘッド部分はガラスに模様を描いたりできると紹介されていますが、プラスチック程度ならガンガン削ることができるので、ドリルタイプのアタッチメントなどを使わずとも標準装備で穴を開けられます。

ダイソーのミニルーターの標準ヘッド

ダイソーのミニルーターの標準ヘッドでフリクション本体に穴を開けた状況

⑥ フリクションのクリップと本体を繋ぐ新たな軸を作る

穴を開けたフリクション本体とクリップ部分に貫通させ、つなぎ留める軸となるパーツを新たに作ります。軸はクリップ部分のバネの力を常に受けなければならないため、少し丈夫に作る必要があります。

そこで、ゼムクリップを伸ばしたものを芯として使い、付着が良くなるよう紙やすりで軽く荒らしてその上に光硬化パテを盛って軸パーツを整形します。

パテはフリクション本体とクリップを十分貫通できるよう少し長めに盛っておきましょう。

パテを盛ったら日光またはUVライトを使って硬化させます。

ゼムクリップを伸ばし端をヤスリで荒らして光硬化パテを塗布

ゼムクリップに塗った光硬化パテを紫外線(UV)ライトで硬化させる

 

⑦ 新しい軸を成形してフリクション本体とクリップを固定する

新しい軸のパテが固まったら、フリクション本体とクリップに通せるよう試しながら少しずつ削って細く整えていきます。

穴に対して軸が太すぎる場合はミニルーターでガンガン削っても良いですけど、細くなり過ぎるとまたパテを付けないといけなくなるため、紙やすりで少しずつ削りながら試した方が失敗しないと思います。

ある程度整ったらゼムクリップの不要な部分はニッパーなどで落としておきましょう。

成形前の新しい軸

成形してボールペンクリップの穴に貫通させた新しい軸

 

⑧ フリクションのクリップからはみ出た軸を整形する

軸が完成したらいよいよ組み立てます。

スプリングを忘れずに戻し、本体とクリップ部分に軸を通して固定します。クリップの動きを確認し、正常に挟む動作ができれば軸のはみ出した部分を削って整えます。

削るときはミニルーターの先端を砥石に取り替えます。はみ出た軸をゼムクリップごと簡単に削ることができます。

 

⑨ 完成

これでフリクションの折れたクリップ修理は完成です。

フリクションボール3は600円(税抜)、フリクションボール4は800円(税抜)とちょっと高価なペンなので、クリップが折れただけで買いなおすには抵抗があります。

今回の修理はパテなどを1から購入するとそれよりも高く付くので実用的ではありません。でももし手元に工具がある人なら、手間はかかりますが修理は可能なのでぜひ挑戦してみてください。

 

スポンサーリンク

フリクションボールペンの修理(失敗編)

先に紹介した方法でフリクションの折れたクリップを無事に修理できましたが、実はその前に失敗もありました。

同じような失敗をしないよう参考にご紹介します。

失敗原因①

失敗原因はズバリ使用したパテの強度不足です。

100均で材料を調達しようとして、ダイソーにあったのがこのエポキシパテだったんですね。

穴埋め用と書かれてたので力がかかるところには使えないかも・・・という不安もありましたが、どうせ100円と思い、100均のエポキシパテを修理に使ってみましたが、結論としてはやはりこのパテでは強度不足でした。

ダイソーのエポキシパテ

失敗原因②

成功した修理方法では、フリクションボールの本体とクリップの固定は新しく作った軸パーツで貫通して固定する方法に変わりましたが、失敗例では元の通り本体の突起とクリップ側に受ける穴を作ろうとしたのがいけませんでした。

本体の突起とクリップ側の穴の再現はできたのですが、突起を穴にはめ込むときに力がかかり、パテで成形した部分が耐えられずに崩壊してしまいました。

もし強度のある丈夫なパテを使ったとしても、既設との接合部分が弱いためパテ部分だけ丸ごと外れる可能性があるため、今回行った新たな軸を通して固定する方が簡単だと思います。

フリクションボールペンの折れたクリップ部分にダイソーのエポキシパテを盛る

フリクションボールペンのクリップを固定する突起をエポキシパテで成形

フリクションボールペンのクリップに塗ったエポキシパテを整形したもの

 

スポンサーリンク

さいごに

消せるボールペン、フリクションの折れたクリップを修理する方法を紹介しましが、失敗要因にあげたパテの強度や修理方法に気を付ければ修理できると思います。

今回の方法はミニルーター、エポキシ樹脂系ボンド、光硬化パテなど色々な道具を使っており、工具や材料をあまり持たない人にとっては手間もコストもかかるあまりおすすめできない方法かもしれません。

しかし、一度買っておくと他にも加工や修理で使えるためとても便利です。

プラモづくりのようなことが好きな人は、この機会に購入して挑戦してみてはいかがでしょうか。

コメント